夏野菜の力ビタミンの宝庫「ブロッコリー」◆vol.35,銀座 フレンチ 銀座エスコフィエ

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『ブロッコリー』

~機能性の高さで注目を浴びる緑黄色野菜のエース格~

 

●プロフィール

[分類]アブラナ科

[原産地]地中海沿岸

[和名]ミドリハナヤサイ(緑花野菜)

[おいしい時期()]123

[主な栄養成分]カロテン、ビタミンCK、カルシウム、スルフォラファン、イソチオシアネートなど

 

●見分け方

・蕾の粒が小さく、花蕾(からい)が密に詰まっていて、締まりがあるもの。

・全体的にこんもりとしていて、先が盛り上がっているもの。

・緑色で色ムラがないもの。黄色っぽいものは花が咲きかけているのでNG。冬場の寒さで紫色がかったものはより甘さが強い。

・外葉がピンとしてしおれていない新鮮なもの。

・切り口が500円大くらいで、みずみずしく、軸にス(空洞)がないもの。

 

●保存方法

・鮮度劣化が激しく蕾が開いてしまうため、すぐに適切な保存をして早めに食べること。

・乾燥を防ぐため新聞紙かラップに包み、冷蔵庫(またはチルド室)へ。水洗いはNG

23日で食べきれない場合は、かために茹でて水気をよく切り、冷凍保存を。小房に分けておくと使いたい分だけ使えて便利。

 

●ブロッコリーのヒミツ

・「氷結輸送」 

ブロッコリーは花のつぼみを食べる野菜のため、日が経つと花が咲き、食味が落ちてしまう。そのため考え出されたのが氷結輸送。ブロッコリーを入れた発砲スチロールやロウをひいた段ボール箱に砕いた氷を詰めておくと、エネルギーの消費が少なくなり、水分が補給されるため、鮮度が劣化しにくく、長持ちする。

・ブロッコリーは暑さに弱く寒さに強い。越冬してこそ旨みを増す野菜。生産の適温は1820で冷涼な気候を好む。北海道や長野など冷涼地では夏採り栽培が、関東以南の暖地では冬春採り栽培がおこなわれ、品質の良い国産ものが一年を通して出荷されている。

・ブロッコリーはキャベツの仲間で、花芽の部分が大きくなる系統が改良されたもの。キャベツの祖先はケールの野生種で、ブロッコリーのルーツも全く同じもの。

・地中海沿岸が原産。古代ローマ人が食用していたといわれる歴史の古い野菜だが、欧米で広く用いられるようになったのは第二次世界大戦後。日本には明治時代に伝わり、1980年代になってようやく普及しはじめた。日本では仲間にあたるカリフラワーの方が先に定着していたが、健康志向の中で栄養価の高さが評価され、カリフラワーを一気に追い抜き、一躍人気者になった緑黄色野菜。

 

●ブロッコリーの健康パワー

・「栄養宝石の冠(Crown of Jewel Nutrition)」

欧米では栄養宝石の冠と呼ばれるほど、ビタミンやミネラル、食物繊維をはじめ、今注目の機能性成分も豊富に含む緑黄色野菜。なかでも風邪予防や美肌効果が期待できるビタミンCの含有量は野菜の中でもトップクラス。抗酸化作用がありガン抑制効果の期待できるカロテン、貧血予防に相互効果が期待できる葉酸と鉄、カルシウムとともにその代謝を促す作用を持つビタミンKが豊富に含まれ、骨粗しょう症予防にも効果的。健康や美容にのために積極的に食べたい野菜。日本でも栄養価の高い緑黄色野菜として注目され、サラダや肉料理の付け合わせとして、洋食とともに一気に普及した。

 

●ブロッコリーの楽しみ方・食べ方

・花蕾に虫やゴミが入りやすいため、まずはたっぷりの水につけてふり洗いを。その後流水で仕上げ洗いをするのがおすすめ。

・茹で上がりを水に取ると旨みや風味が損なわれるため、茹で湯を切り、ザルなどに上げて、自然に冷ましながらしっかり水気を切るとよい。水気が残っていると、水っぽい味わいになり、保存にも向かないため注意。

・ビタミンの流失を防ぐには蒸し茹でや電子レンジがおすすめ。長時間たっぷりの湯で茹でると栄養価が低下するだけでなく、食感や風味も損なわれるため、余熱も考慮して茹ですぎないことがコツ。

・あえてくたくたになるくらいまでやわらかく煮込み、煮崩れさせて、ポタージュやジェノベーゼ風のパスタソースに。甘みとプチプチの食感が美味。濃厚な旨みが味わえる。

・小房を落とした後の茎にも栄養が豊富に含まれているため、捨ててしまうのはもったいない。ややかためなので皮を厚めに剥き、スライスして炒め物に、刻んでスープに。

・小房に分けず、そのまま丸ごと茹でると旨みや栄養成分が逃げにくい。急ぐときは小房に分けて茹でると早い。

・花蕾と茎は切り分けてそれぞれの持ち味を生かす調理法を。

・花蕾部分に包丁を入れるとポロポロと崩れるので、茎の方から切れ目を入れ、花蕾のひとかたまりごとに手で割いて分ける。

 

●ブロッコリーの仲間たち

・茎ブロッコリー

茎の部分が長く、アスパラガスに似た甘みと食感を楽しめる。花蕾の部分が小さく小房に分ける必要がないため、手軽に使えて便利。炒め物や揚げ物、スープなどに。肉巻きなどにも適している。やわらかいので調理は短時間でOK。スティックセニョール、はなっこりー等がある。

・紫ブロッコリー

花蕾が鮮やかな紫色で、抗酸化作用のあるアントシアニンを含有する。アントシアニンは水溶性のため、ゆでると緑色に変化してしまう。

・ブロッコリースプラウト

ブロッコリーの種を発芽させたもの。ガン予防に効果てがあるとされるスルフォラファンが多いと1997年に発表され、注目を集めた。成熟した野菜より栄養成分が豊富で、生食に向く手軽さから近年人気。クセがなくやわらかいため、子どもでも食べやすい。